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診療科

歯科・口腔外科について

当科は口腔外科を基盤とし、口腔領域に発生した腫瘍、外傷、炎症、顎関節症などの口腔外科疾患および全身管理を要する有病者の歯科治療を行っています。
 
 
 
一般的な歯科口腔外科的治療の他に、
 1.悪性腫瘍においては、腫瘍切除後のQOLの向上を計るため、積極的にマイクロサージャリーを用いた遊離皮弁による再建を行っています。
 2.インプラント植立のための歯槽骨増大術、小顎症における骨延長術、下顎前突症における下顎骨後退術等を行っています。
 3.有病者の方の歯科治療は、全身麻酔下での治療を積極的に行っています。
 4.歯牙欠損に対しては、埋伏歯を用いた再植術、インプラントを用いた補綴等を行っています。
 
 
 

田畑 雅士(部長)

卒業年:昭和59年

出身医局:鹿児島大学歯学部第一口腔外科

専門分野:日本口腔外科学会専門医

新屋 俊明(医師)

卒業年:昭和63年

出身医局:長崎大学歯学部

西久保 舞(医師)

卒業年:平成15年

出身医局:鹿児島大学 歯科

口腔がんの治療

写真は右舌がんの患者さんで、ほぼ、舌半分が癌に占められていました。
当科ではできるだけ、舌の機能を温存するため、手術前に放射線治療、抗がん剤による化学療法を行い、
 
腫瘍を出来るだけ小さくします。約1ヶ月の治療でほぼ、腫瘍と潰瘍は無くなります
 
 
腕からの皮弁手術でほぼ舌半分を切除し、腕からの皮弁にて再建します。
舌半分切除した後でも、食事も会話にも支障がなく、日常生活ができています。
 
インプラント治療
インプラント治療は基本的に骨に人工歯根のインプラントを植立し、骨と結合してから、人工の歯を作る治療です。ただ、歯が無くなった事で骨はどんどん痩せてきます。最近、CT検査の発達で残存している骨の量、方向を正確に診断する事が出来る様になり、CT情報をもとにナビゲーションサージェリーが出来る様になりました。
 
 
手術前にCTを撮影し、その情報をコンピューター上でシュミレーションします。写真の患者さんは上顎洞までの距離が短く、上顎洞と交通する危険性のある方でした。シュミレーションし、インプラントの方向、深さ、傾きなどを設定します。その情報をもとにサージカルガイドが出来てきます。
 
サージカルガイドです。
 
手術はそのガイド通りに、ドライバーで形成し、インプラントを埋め込みます。この手術では粘膜を切開し、大きく開く必要はありません。
おかげで、術後の痛み、腫れがなくなり、軽い手術が可能となりました。
 
術後のレントゲン写真です。シュミレーション通りにインプラントが埋め込まれているのが分かります。もう少し深く埋め込むと上顎洞内に交通することが分かります。
また、ほぼ歯が無くなったような患者さんでも数本のインプラントで固定された歯の補綴ができます。
 
 
 
インプラント埋め込み後にジルコニアという固い素材で上部構造を作ります。
 
 
その上部構造の上に、歯肉付きの歯を作ります。一体となっています。
 
 
インプラントと歯牙との固定は特殊な金色のキャップ(AGCキャップ)ではめ込まれていて、メインテナンス時に器具で着脱し、洗浄できます。そのため、常に清潔な状態で使用できます。
 
顎関節症の治療
口を開け閉めする時に顎に痛みや雑音がおこる顎関節症という疾患です。原因は噛み合わせの異常や、精神的なストレスが原因とされてます。
治療法としては、Cadiaxという機械を使って、下顎運動の基本運動を記録し、顎関節症の病体を把握します。
 
 
 
 
咬合器に連動していて、顎関節の動きを再現できます。歯並びの異常を診断し、咬合治療を進めて行きます。
 
 
周術期口腔機能管理について
当院歯科口腔外科では全身麻酔下での手術、化学療法、頭頸部の放射線治療を行う当院がん患者に対して、
(1)術後の誤嚥性肺炎のリスク軽減
(2)歯牙の破折や脱落などの気管内挿管時のリスク軽減
(3)術後の経口摂取再開の支援
(4)口腔咽頭、食道手術における術後合併症のリスク軽減
(5)在院日数に対する削減効果
(6)口腔の感染管理・疼痛管理・環境管理によるがん患者のQOLの向上、がん治療成績の向上
を期待して、周術期口腔機能管理(口腔内診査、歯周組織検査、X線審査、口腔清掃指導、歯石除去、う蝕治療、保存不可能歯の抜歯、歯内治療、義歯調整、義歯修理、義歯新制作、スペーサー製作、口腔の疼痛管理、口腔乾燥防止処置)を提供しています。
平成24年度は169例、平成25年度は319例、平成26年度は366例の当院がん患者に対して周術期口腔機能管理を実施しています。
 
 
障害者歯科について
当院では歯科治療が困難な方に対して、全身麻酔下での歯科治療が可能です。また、宮崎、鹿児島では唯一の障害者学会における認定医指導医である森主宜延先生が月1~2回、当院で歯科治療を行っております。また、障害者歯科認定医のための臨床経験施設指定の登録がされました。予約制ですので、ご希望の方はご連絡下さい。
 
 
ペインクリニック
元鹿児島大学歯学部麻酔科助教授の横山幸三先生による口腔顎顔面領域のペインクリニックを行っています。頑固な顎顔面領域の疼痛や知覚麻痺、顔面神経麻痺等の治療を希望される方はご連絡下さい。
 


 

更新日:2018.06.05