令和元年度 都城医療センター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 652 118 361 630 372 475 1257 1552 879 128
平成31、令和元年度の退院患者数を入院時の満年齢で10歳刻みの年齢階級別に集計しています。

 当院の平成31、令和元年度の退院患者数は6,424件でした。地域医療支援病院である当院の入院患者さんは、60歳以上の占める割合が45.7%と比較的ご高齢の患者さんが多く占めています。10歳未満の小児患者は10.1%となっており、二次医療機関(後方支援病院)として地域の開業医の皆様と病診連携を図っています。また宮崎県西部地区で唯一の新生児集中治療室を有し、鹿児島(大隅半島含め)・宮崎(県西部)の広範囲な地域をカバーし、出生した新生児の治療を必要とする患児を24時間体制で受け入れを行っています。平成30年度と比較すると20~40歳代の割合が増えており、産科の患者さんが増加しています。宮崎県西部地区で行っている地域周産期ネットワークを有し、地域の産婦人科と連携しています。
また地域がん診療連携拠点病院として、専門的ながん医療を提供すると同時に、地域の医療機関との連携や相談支援センターの運営、がんについての情報提供などをおこなっています。

●年代別の主な疾患
 20歳未満では新生児疾患の低出生体重児や早産児、小児患者の呼吸器疾患などであり、20-30歳では合併症を伴うハイリスク妊娠、分娩の紹介患者さんとなっています。40歳以上では、多くのがんの患者さんの手術、化学療法、放射線療法など高度で専門的な治療を行っています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 145 2.10 2.49 0 71.36
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 91 15.99 12.18 0.01 72.22
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 81 8.14 5.61 0.01 65.19
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 75 10.88 7.07 0.03 78.16
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 59 11.03 8.52 0.03 73.75
 平成31、令和元年度の泌尿器科の退院患者数は945名であり、昨年度と同程度の患者数となっています。
 泌尿器科の最も多い症例は前立腺の悪性腫瘍を診断するための前立腺針生検入院です。前立腺癌、膀胱癌の手術の他、経尿道的尿路結石除去術等の経尿道的手術も多く実施しています。
 65歳以上の高齢者の割合が多くなっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx99x30x 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 化学療法ありかつ放射線療法なし 定義副傷病 なし 44 6.91 6.39 0.02 69.61
060160x001xxxx 鼠経ヘルニア 15歳以上 ヘルニア手術 鼠経ヘルニア 43 7.44 4.85 0.02 67.42
06007xxx9906xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 フルオロウラシル+レボホリナートカルシウム+イリノテカン塩酸塩水和物+オキサリプラチンあり 38 6.71 5.87 0 67.5
060035xx99x60x 結腸(虫垂含む)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 ベバシズマブ アフリベルセプト ベータ 定義副傷病 なし 23 5.65 4.40 0 70.43
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 23 8.21 7.13 0 55.04
 平成31、令和元年度の外科の退院患者数は763名でした。
 平成30年度と比較すると胃癌の患者さんが多くなっています。
 消化器癌を中心に手術、化学療法を実施しています。消化器疾患対しては患者さんに負担の少ない腹腔鏡手術を積極的に行っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 232 6.57 5.59 0.14 32.74
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 112 8.19 9.66 0.62 32.56
12002xxx99x40x 子宮頚・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 化学療法ありかつ放射線療法なし 定義副傷病 なし 84 5.27 4.58 0 56.13
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 71 11.13 9.71 0 46.69
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 69 10.29 9.53 0.28 31.57
 平成31、令和元年度は標榜診療科に合わせて産婦人科で集計しています。産婦人科の退院患者数は1,409名(産科796名、婦人科613名)となっています。
 産科では妊娠中の糖尿病、胎児及び胎児付属物の異常、分娩の異常、婦人科では子宮頚・体部の悪性腫瘍、子宮の良性腫瘍が多くなっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害 2500g以上 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 86 14.01 6.17 0.02 0
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 62 6.06 6.19 0 0.74
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害 2500g以上 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり 56 20.13 11.21 0.04 0
140010x299x1xx 妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害 1500g以上2500g未満 手術なし 手術・処置等2 パリビズマブ 41 25.56 22.05 0.02 0
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 37 6.11 6.64 0 1.27
 平成31、令和元年度の小児科の退院患者数は590名でした。
 妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害は上表以外も含めて284名となっています。一般小児疾患(非新生児疾患)では、呼吸器疾患(喘息、急性気管支炎、肺炎、咽頭炎など)などがありました。
NICU6床、GCU12床、一般小児18床で診療を行っています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2 なし 96 3.26 3.34 0.03 70.29
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 化学療法ありかつ放射線療法なし 定義副傷病 なし 93 8.78 9.59 0.03 70.62
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 ラムシルマブ ベバシズマブ 89 7.25 10.59 0.01 66.37
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 ゲフィニチブ アファチニブマレイン酸塩 エルロチニブ ダコミチニブ水和物 カルボプラチン+パクリタキセルあり 46 11.20 20.04 0 70.98
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 化学療法ありかつ放射線療法なし 定義副傷病 あり 31 12.61 16.87 0 67.68
 平成31、令和元年度の呼吸器内科の退院患者数は590名でした。
 呼吸器内科の上位症例はすべて肺の悪性腫瘍に対する入院で、最も多い症例は原発性肺癌を中心とした腫瘍性疾患の診断入院です。診療報酬(DPC)では、使用する薬剤により診療の計画が違います。コード別の2~5番目に多い症例は肺の悪性腫瘍に対する化学療法入院となっています。肺の悪性腫瘍以外には間質性肺炎、肺炎、抗酸菌関連疾患(肺結核以外)を中心とした肺感染症、肺炎などの内科疾患全般の診断と治療を行っています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2 なし 46 3.24 3.34 0.02 73.33
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 45 13.04 11.51 0.02 67.76
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 化学療法ありかつ放射線療法なし 定義副傷病 なし 23 10.70 9.59 0.09 63.48
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病 なし 14 11 10.18 0 35.93
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 ラムシルマブ ベバシズマブ 12 10.42 10.59 0 65.5
 平成31、令和元年度の呼吸器外科の退院患者数は267名でした。
 呼吸器外科のDPCコードが多い症例は、1番目が肺の悪性腫瘍疑手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし、2番目に多い症例は肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし、3番目、5番目に多い症例は肺の悪性腫瘍に対する化学療法入院です。
 肺の悪性腫瘍に対して、可及的に低侵襲の胸腔鏡下根治手術を行っており、手術療法だけでなく化学療法や放射線療法を併用し病期に応じた集学的治療を行っています。また肺の悪性腫瘍以外にも、胸部悪性疾患や縦隔・胸壁腫瘍、良性肺腫瘍なども検査、手術を行っており、可能な限り胸腔鏡による低侵襲手術を心がけています。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 51 8.94 7.80 0 25.90
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 32 7 7.24 0 60.93
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 29 7.07 6.80 0 56.51
030250xx970xxx 睡眠時無呼吸 手術あり 手術・処置等1 なし 25 8.24 8.26 0 8.56
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 19 6.21 5.45 0 48.26
 平成31、令和元年度の耳鼻いんこう科の退院患者数は382名でした。
 耳鼻いんこう科の最も多い症例は昨年度と同じで若年層に対する扁桃、アデノイドの慢性疾患に対する手術です。上位の項目には変更がありませんが順位が入れ替わっています。
 退院後は当院の外来でフォローを行うため、他の医療機関に紹介することはほとんどありません。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 51 26.08 25.94 0.59 81.88
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 手術なし 定義副傷病 なし 18 25.59 19.40 0.06 81.33
070470xx01x0xx 関節リウマチ 人工関節再置換術等 手術・処置等2 なし 10 40.9 23.09 0 69.7
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性含む) 人工関節再置換術等 10 34.9 23.56 0 77.9
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む) 人工関節再置換術等 - - 21.53 - -
 平成31、令和元年度の整形外科の退院患者数は266名でした。
 整形外科の最も多い症例は股関節大腿近位骨折に対する手術入院であり、2番目に多い症例は胸椎や腰椎の圧迫骨折に対するリハビリテーションでの入院、3番目~5番目にに多い症例はそれぞれ関節リウマチ、膝関節症、股関節骨頭壊死に対する人工関節置換術となっています。
 当院の整形外科は一般整形外科と関節リウマチの二本柱で診療を行っています。大腿骨近位部骨折の地域連携パスを活用しており、より効果的・効率的なリハビリテーションを提供することを目的に、リハビリテーション提供施設及び職種間の連携強化を図っています。また救急外傷や高齢者・糖尿病・人工透析等の合併症のある患者の外傷に対する手術を中心として治療を行っています。またリウマチ患者の変形関節に対する人工関節置換術や、生物学的製剤を含む抗リウマチ剤を利用した治療を行っています。

※労働災害保険、自賠責保険での入院は除外しています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし 113 2.35 2.63 0 66.93
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2 なし 13 8.62 8.27 0 76.15
060050xx97x00x 肝・管内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む) その他の手術 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 12.27 10.25 0 72.64
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 11 9.91 7.65 0 73.27
060100xx01xx1x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 あり - - 3.57 - -
 平成31、令和元年度の消化器内科の退院患者数は292名でした。
 消化器内科の最も多い症例は大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術入院(EMR)、2番目に多い症例は早期胃がんに対する内視鏡的粘膜切除術(EMR、ESD)、3番目に多い症例は肝細胞がんに対する選択的動脈化学塞栓術、4番目に多い症例は憩室性疾患の入院でした。  消化器内科では主に上部下部内視鏡検査による消化管の診断ならびに治療を行っています。
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 リツキシマブ 定義副傷病 なし 76 14.42 15.79 0 71.78
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 化学療法ありかつ放射線療法なし 定義副傷病 なし 30 12.4 16.50 0 66.4
130030xx99x50x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 ベンダムスチン塩酸塩 ボルテゾミブ 定義副傷病 なし 26 7.69 13.41 0 76
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 リツキシマブ 定義副傷病 なし 25 42 31.30 0.04 74.6
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等2 アザシチジン 25 11.64 10.43 0.04 81.24
 平成31、令和元年度の内科の退院患者数は520名で、昨年度と比較し増加していました。平成31年4月より血液内科医師の増員となっています。
 内科の1~4番目に多いは非ホジキンリンパ腫に対する化学療法入院、5番目に多い症例は骨髄異形成症候群に対する化学療法入院でした。
 内科は血液疾患、肝臓疾患、さらに代謝内科・内分泌内科の診療を行っています。血液疾患では、化学療法薬や分子標的治療薬の進歩があり、著しい治療成績の向上がありますが、完治が困難な疾患もいまだに多く、外来治療を含めた根気強い治療を行って、治療成績を上げる努力を行っています。肝臓疾患では、新規抗ウイルス薬により、ウイルス消失を含む飛躍的な治療成績の向上が認められています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 26 - - 42 - 20 1 8
大腸癌 - 13 40 68 - 12 1 7,8
乳癌 - - - - - - 1 7,8
肺癌 33 28 119 229 - 126 1 7,8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の入院患者さんの人数を初発のUICC TNM分類別、および再発に分けて集計しています。

【UICC TNM分類】
がんの進行度を判定する基準として国際的に活用されている国際対がん連合(UICC)採用のがんの分類方法。28の部位ごとに各種の検査結果から原発がんの大きさ、広がり、深さをT、原発がんの所属リンパ節転移の状況をN、他の臓器への遠隔転移状況をMとして、区分し、総合してステージⅠ(早期)~Ⅳ(末期)の4病期(ステージ)を判定するものです。

・当院は地域がん診療連携拠点病院に指定されています。専門的ながん医療を提供すると同時に、地域の医療機関との連携や相談支援センターの運営、がんについての情報提供などをおこなっています。
 2012年より呼吸器外科が開設され肺癌の症例は急激に増え、胃・大腸・乳・肝・その他のがんにおいても年々増加傾向です。再発件数は、1人の患者が年に複数回入院を繰り返されるため件数が多くなっており、実際の再発患者数は表示件数より少ないです。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 16 9.81 67.31
中等症 32 12.31 73.41
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
入院の契機となった病気およびDPC病名(主に治療した病気)が成人の市中肺炎の退院患者さんを、A-DROPスコアを計算して重症度別に集計しています。

【市中肺炎とは】
 日常生活の中でかかる肺炎のことです。

【平均在院日数】
 全患者さんの病院に入院していた日数(在院日数)の平均日数です。

【A-DROPスコア】
  日本で使われている市中肺炎の重症度を判定するものです。下記の5項目のうち1項目に該当すれば1点、2項目に該当すれば2点というように計算し、点数をつけます。5点満点です。
 •A(Age=年齢):男性70歳以上・女性75歳以上
 •D(Dehydration=脱水):BUN 21mg/dL以上または脱水あり
 •R(Respiration=呼吸):SpO2 90%以下またはPaO2 60Torr以下
 •O(Orientation=見当識):意識障害あり
 •P(Pressure=血圧):収縮期血圧 90mmHg以下

 軽症:0点の場合。
 中等症:1~2点の場合。
 重症:3点の場合。
 超重症:4~5点の場合。ただし、意識障害(ショック)であれば1点でも超重症とする。
 不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。

・当院の患者数が最も多いのは中等症です。軽症、重症、超重症も少なからず存在しています。
 重症度が大きいほど、在院日数が長くなり治療に時間を費やしたことになります。また中等症以上の患者さんの平均年齢は約70歳と高齢となっています。昨年度と比較すると年齢が若くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 - - - -
現在、医師が不在のため休診となっています。脳梗塞の患者さんを診療する際は、脳神経外科の他医療機関へご紹介しております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K843-2 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 93 1.90 13.17 0.01 72.22
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 79 2.13 4.52 0.01 64.97
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 77 2.18 8.77 0.03 77.58
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除術(ホルミニウムレーザーを用いるもの) 54 1.43 8.41 0.07 73.81
K802-6 腹腔鏡下膀胱脱手術 54 1.44 10.67 0 68.26
平成31、令和元年度の泌尿器科での手術件数は、587症例、そのうち腹腔鏡手術は206例でした。
泌尿器科では、前立腺がんに対して腹腔鏡下で行う前立腺悪性腫瘍手術を多く行っています。腹腔鏡下手術については、他に膀胱脱手術、腎(尿管)悪性腫瘍手術などを行っています。尿管結石手術(TUL,PNL)、小児泌尿器科手術、経尿道的手術(TUR-P、TUR-BT)、内シャント造設術など様々な手術を行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 49 2.10 7.16 0.04 61.14
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 36 2.72 12.72 0.06 81.64
K634 腹腔鏡下鼠経ヘルニア手術(両側) 25 1.32 5.32 0 65.68
K6335 ヘルニア手術(鼠経ヘルニア) 21 1.05 4.71 0.05 61.81
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頚部その他) 17 4.65 15.41 0.06 64.12
 平成31、令和元年度の外科での手術件数は、347症例でした。
 外科で1番多い手術は胆石や胆嚢炎など良性疾患のに対する腹腔鏡下手術で、2番目、4番目に多い手術は鼠径ヘルニア手術で、高齢の患者さんの手術が多くなっています。患者さんに応じて腹腔鏡下で胃がんや大腸・直腸がん手術を積極的に実施し、患者さんの侵襲を軽くし、早期退院できるように努めています。他にも消化器内科と連携して早期食道がん・胃がん・大腸がんに対して内視鏡的粘膜切除や粘膜剥離術も積極的に実施し、また総胆管結石の内視鏡的採石術などの内視鏡治療も実施しています。さらに閉塞性黄疸を呈している胆管がん・膵がんに対して胆管ステント留置なども幅広く実施しています。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 75 1 6.89 0 20.53
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 28 1 5.36 0 60.18
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 17 1 6.65 0 60.47
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 16 1 6.81 0 33.69
K6261 リンパ節摘出術 15 0.93 1.27 0 69
 平成31、令和元年度の耳鼻いんこう科での手術件数は、279症例でした。
 副鼻腔疾患がやや減少したものの耳疾患、口腔咽頭疾患、頭頚部腫瘍は増加していました。地域における耳鼻咽喉科での入院施設が限られており、比較的遠隔地(志布志市、鹿屋市)からの紹介も引き受けています。殆どの手術は入院翌日に実施しており、手術後1週間ほどで退院となっています。退院後は当院の外来でフォローを行うため、他の医療機関に紹介することはあまりありません。手術関連については、機能の保存を重視して診療を行っています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開術) 154 11.13 6.59 0.24 31.92
K8982 帝王切開術(選択的帝王切開) 111 13.03 4.57 0.65 32.61
K877 子宮全摘術 82 2.15 8.43 0 49.79
K867 子宮頚部(膣部)切除術 45 1 1.16 0 41.18
K893 吸引娩出術 33 6.42 2.30 0.55 32.27
 産科の最も多い手術は帝王切開術(265件)です。当院は宮崎県南西部で唯一の合併症を有するハイリスクの妊娠や分娩の患者さんを取り扱っているため、緊急に手術することが多くなります。小児科医師と常に連絡をとりあい、十分な母体および胎児管理を行い、可能な限り良好な状態で児の娩出を行っています。またriskのある症例は必ず新生児専門の小児科医師が分娩に立ち会い適切な新生児管理を行っています。更に緊急も含めて帝王切開の麻酔は全て麻酔医が担当し、十分な術中管理が行われています。
 平成31、令和元年度の婦人科での手術件数は、252症例でした。
 婦人科で1番多い手術は、子宮全摘術であり、良性および悪性腫瘍の患者さんに実施しています。2番目に多い手術は子宮頸がん検診などで精密検査が必要と診断された患者さんに実施している子宮頸部(腟部)切除術で、3番目に多い手術は子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹)であり、良性および悪性腫瘍の患者さんに実施しています。
 当院は良性腫瘍・悪性腫瘍の治療を、一次施設との共同診療、手術、化学療法、放射線療法を行っています。重症症例は、宮崎大学産婦人科と相談しながら診察を行っています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 41 2.17 24.31 0.45 74.39
K0821 人工関節置換術 38 1.53 33.58 0 72.44
K0811 人工骨頭挿入術 22 2.32 24.5 0.68 81.18
K462 骨折観血的手術 12 2.08 19.92 0.08 62.58
K0452 骨折経皮的鋼線刺入固定術 10 0.3 1.3 0 9.7
 平成31、令和元年度の整形外科での手術件数は、223症例でした。
 整形外科で多い手術は、骨折観血的手術、人工関節置換術および人工骨頭挿入術が多くなっています。整形外科では、救急外傷や、高齢者・糖尿病・人工透析等の合併症のある患者さんの外傷や傷害に対する手術を中心とした加療を行っています。リウマチ科では、生物学的製剤を含む抗リウマチ剤を利用した加療、またリウマチ患者さんの変形関節に対する人工関節置換術や関節固定、骨膜切除等を行っています。
 当院では大腿骨近位部骨折の地域連携パスを活用しており、より効果的・効率的なリハビリテーションを提供することを目的に、リハビリテーション提供施設及び職種間の連携強化を図っています。また手術後の継続リハビリとして、他の医療機関へ転院をお願いしているため、整形外科では転院率が高くなっています。
 合併症のある患者さんが多く、入院から手術までの期間が長くなっています。患者さんの状態に合わせて手術を行うため、より安全かつ生活の質を考慮した治療を行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 109 0.28 1.24 0 66.60
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) 15 0.27 1.07 0 68.13
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 15 0.8 6.93 0 74.53
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 12 1.17 6.67 0 77.08
K6152 血管塞栓術(奥部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 11 1 10.27 0 72.64
 平成31、令和元年度の消化器内科での手術件数は、202症例でした。
 消化器内科で1番目と2番目に多い手術は、大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(EMR)です。大腸ポリープでは内視鏡的治療に当たってほとんど生検することなく診断・治療を行っています。3番目に多い手術は、小腸結腸に対する内視鏡的止血術です。4番目に多い症例は早期胃がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、5番目に多い手術は放射線科と連携して実施している肝細胞癌に対する選択的動脈化学塞栓術です。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 27 2.81 10.26 0.04 68.70
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術楔状部分切除によるもの)) 16 5.69 4.81 0 38.38
K513-4 肺腔鏡下肺縫縮術 10 6.6 5.6 0 75.4
K514-21 肺腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) - - - - -
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他のもの) - - - - -
 平成31、令和元年度の呼吸器外科での手術件数は、102症例でした。
 呼吸器外科で診療報酬では切除範囲によりコードが違う場合がありますが、最も多い手術は胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術であり、肺癌に対しては、胸腔鏡下での手術を行っています。2番目多い手術は、気胸の患者さんに対して実施する胸腔鏡下での肺切除手術です。3番目に多い手術は肺腔鏡下肺縫縮術です。
 肺癌に対しては、可及的に低侵襲の胸腔手術を行い、進行肺癌では手術療法だけでなく化学療法や放射線療法を併用し病期に応じた集学的治療を行っています。
 肺癌以外にも、良性疾患、縦隔・胸壁疾患など治療対象として検査、手術を行っており、胸腔鏡による低侵襲手術を心がけています。

※患者数が10未満の場合は、「ハイフン」で表記しています。
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頚部その他) 19 34.37 27.68 0.05 72.47
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 13 1.77 14.69 0 78.31
K386 気管切開術 - - - - -
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 - - - - -
K6261 リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) - - - - -
 内科で1番多い手術は、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置です。2番目に多い手術は、放射線科と連携して実施している肝細胞癌に対する血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術)でした。
 内科では、外科的な手術を実施することは、あまりありません。

※患者数が10未満の場合は、「ハイフン」で表記しています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 24 0 31.54 0 0
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) 12 0 32.25 0.08 0
K7151 腸重積症整復術(非観血的なもの) - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
 小児科で多い手術は、新生児仮死に対して新生児仮死蘇生術です。当院は地域周産期母子医療センターに指定されており、早産等のハイリスク分娩の患者さんが多く入院しています。小児科(NICUおよびGCU)と産科が連携し、分娩後に異常のある新生児に対して迅速に治療を行っています。また他の医療機関で分娩した未熟児の緊急受け入れにも対応しています。

※患者数が10未満の場合は、「ハイフン」で表記しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 39 0.01
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 17 0.00
異なる - -
【DPCコードとは】
通常、DPCは医療資源を最も投入した傷病名と手術、処置によって14桁で表されますが、病名による分類である6桁で集計しています。

【播種性血管内凝固症候群】
 DICと呼ばれ、さまざまな重症の基礎疾患のために過剰な血液凝固反応活性化が生ずるため生体内の抗血栓性の制御能が十分でなくなり、全身の細小血管内で微小血栓が多発して臓器不全、出血傾向のみられる重症の病気です。

【敗血症】
 体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身症状を引き起こす全身性感染です。

【真菌感染症】
 真菌によって引き起こされる感染症です。

【手術・処置等の合併症】
 手術や処置などの後,それらがもとになって起こることがある病気です。全ての患者さんで一定の割合で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。

【入院契機】
 入院の基となった病気です。DPCで分類される包括請求の対象となる病気と入院契機病名が「同一」か「異なる」かにより分けて集計しています。「同一」の場合は、入院目的の病気と入院期間中に治療した病気が同一であったことを表しています。「異なる」は、入院目的の病気と入院期間中に治療した病気が異なったことを表しています。これは入院時に併発していた、もしくは入院中に発症した違う病気に治療を専念したことを指しています。

【発生率】
 全退院患者さんのうち、該当するDPCコードで入院費の請求を行った患者さんの割合です。

・敗血症
 医療資源を最も投入した傷病名と入院契機が同一の場合がほとんどでした。つまり、敗血症の患者が緊急入院し、そのまま敗血症の治療をすることが多いことになります。

・手術・処置等の合併症
(内訳)T810後出血7、T814術後腹腔内膿瘍1、術後腹壁膿瘍1、T833子宮内避妊器具の機械的合併症1、T835尿管ステント交換後腎盂腎炎1、T840左人工股関節の破損2、T875左切断端壊死2、T886造影剤ショック2
 医療資源を最も投入した傷病名と入院契機が全て同一でした。最善の手術や処置を尽くしても、全ての患者さんで一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。合併症を起こさないように細心の注意を払って手術や処置に努めてまいります。

※患者数が10未満の場合は、「ハイフン」で表記しています。
更新履歴
R2.10.26
解説を内容を修正。